POJ Studio 谷家様向け資料 2026年11月

POJ Studio:成長の機会と、ブランドの守り方

本資料の作成にあたって:本資料は、公開情報および私自身の事業に関する仮説に基づいて作成したものです。そのため、実際の事業環境や課題認識については、POJの皆様がより深く把握されているものと認識しております。本提案では、技術やAIそのものではなく、それらの活用によって実現できる事業上の成果やビジネスインパクトに重点を置いています。これは、CEOのティナさんが経営上重視されているのは、技術の導入自体ではなく、それによってもたらされる事業価値や成長への貢献であると考えたためです。技術やAIはあくまで事業目標を実現するための手段であり、その導入自体を目的とするものではないという考え方を、本提案の基本方針としています。

POJには2種類の事業機会があると考えています。事業成長に向けた3つの提案と、運営改善に向けた3つの提案です。最も重要なのは事業成長ですが、ティナさんがこれまで築いてこられた品質を維持しながら、新たな需要に応えることが、その実現には不可欠です。

事業成長新規顧客、新商品、新市場の開拓。
運営改善単独で業績を大きく動かすものではありませんが、成長を支える基盤となります。
品質とブランド両者の前提条件であり、ティナさんと最も話し合うべきテーマです。

事業成長:新たな収益源をつくる3つの提案

各提案をタップすると詳細が開きます。青いリンクをタップすると根拠をご確認いただけます。各提案の中からコメントを残していただけます。金額は、米ドル価格を1ドル=158円で換算した概算です。

新規顧客の獲得動画クリエイターの招待日本を専門とする動画クリエイターを1名招待し、実際の教室を体験したうえで発信していただきます。
現状

POJのInstagramフォロワー数は14万人であり、工芸分野としては高い水準にあります。一方、動画クリエイターであれば、1本の動画でさらに多くの層に届く可能性があります。

目指す姿

新しい層が、ありのままの教室の様子に触れることになります。POJとしては、動画1本によってキットの注文数と教室の申込数がどの程度増えたかを把握でき、継続の可否を判断できます。

規模感

Bokksuがスポンサーとなったスポンサー動画1本は、480万回再生を記録しました。自治体がクリエイターのスポンサーとなる事例もあり、兵庫県の動画がその一例です(スポンサー表記)。

必要な取り組み

工数小:クリエイターが紹介する専用のクーポンコードを発行し、そのコードを利用した注文を集計する仕組みを用意します。

品質の守り方

クリエイターには、台本なしで通常の教室に参加していただきます。視聴者の誘導先はキットと教室に限定します。これは、修理の納期がすでに6〜8か月に及んでおり、依頼が増えると待ち期間がさらに長くなるためです。キットであれば、職人の時間を使いません。

取り組む価値がある条件
  • キットおよび教室の席に、販売の余地が残っていること
コメント
コメントは、Arie本人のみが確認します。
価格帯の空白を埋めるリモート金継ぎ講座約14万円の教室と約142万円のプログラムの間に位置する、10〜12週間のリモート講座です。
現状

価格は約14万円から一気に約142万円以上へと跳ね上がり、その間の価格帯に商品がありません。オンライン教室のページは現在空の状態であり、京都に来られない方の選択肢はキットに限られています。

目指す姿

受講生はご自宅でご自身の器を修理し、講師がその作品を確認します。これにより、教室や見習いプログラムへ進む道筋ができ、修了生は指導を通じて収入を得ることが可能になります。

規模感

試算例として、年間40名が約19万〜40万円で受講した場合、講師料とキット代を差し引く前の売上は約760万〜1,580万円となります。

必要な取り組み

工数中:POJの既存キット(約28,000円)を土台とした講座設計、予約および写真提出の仕組み、そして修了生がPOJの基準で指導するための指導マニュアルが必要です。マニュアルには、授業の進め方、作品の確認方法、仕上がりの基準、上級講師に相談すべき場面を定めます。

品質の守り方

講師が受講生一人ひとりの作品を確認します。少人数制を維持し、AIによる添削は行いません。

取り組む価値がある条件
  • リモート指導でもPOJの基準を満たせると、POJが判断すること
  • 約19万円以上を支払う受講希望者が十分に見込めること
  • 講師の稼働時間を考慮しても利益が残ること
コメント
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新市場への参入リーダーのための金継ぎプロジェクトの失敗後にチームを率いる方法を学ぶ、管理職向けの2日間講座です。POJは工芸教室からエグゼクティブ教育へと事業領域を広げます。
現状

現在、企業が購入できるのは問い合わせ制の貸切教室やチームイベントに限られています。研修予算を前提とした商品はありません。一方で、こうした予算は実際に存在します。たとえばGoogleは、提携大学における業務関連の学費として年間最大約190万円を負担しています。

目指す姿

シラバスと修了証を備え、企業が管理職研修として承認できる2日間講座です。価格の比較対象は、チームビルディング研修ではなくビジネススクールとなります。

規模感

試算例として、8〜12名のグループ1組あたりの売上は、POJの2日間講座の価格で約110万円、グロービスの1日あたり単価で約610万円となります。

工芸とリーダーシップをつなぐ先行事例
  • グロービスは、京都と東京で実施する5日間のリーダーシッププログラムを約126万円で提供しており、いけ花の実践ワークショップが組み込まれています。
  • IKERUは、いけ花をリーダーシップ教育に活用するため、2017年に設立されました。創業者はハーバード・ビジネス・スクールとマッキンゼーでの経歴を持ち、数十の企業やビジネススクールが同社のチームワークショップを実施したと述べています。
  • コーン・フェリーは、大学や企業がリーダーや社員向けに金継ぎワークショップを開催する動きを報告しています。
  • ハーバードのAuthentic Leader Developmentに工芸の要素はありませんが、価格の上限の目安となります。受講料は6日間で約270万円(宿泊込み)です。

いずれも、金継ぎを軸とした本格的なエグゼクティブ・プログラムではありません。ここにPOJの機会があると考えています。

必要な取り組み

工数大:シラバス、講師用ガイド、失敗を振り返るための手法、修了証が必要です。また、企業向けの販売力を新たに身につける必要があります。

品質の守り方

講師も技法も変えません。ビジネス用語は資料の中にとどめ、教室やウェブサイトには持ち込みません。

取り組む価値がある条件
  • 企業が、1席あたり約14万円を大きく上回る金額を支払うこと
  • 研修予算を、大学以外の民間講座にも充てられること
  • 開発に着手する前に、具体的な買い手が導入を決定すること
  • 通常の教室を休講にすることなく運営できる講師数が確保されていること
コメント
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運営改善:成長に備える3つの提案

これらの提案だけで事業規模が変わるわけではありません。職人の時間を確保し、需要が増加しても一人ひとりに向き合う対応を維持するためのものです。

職人の時間を確保する修理受付デスク修理案件ごとに見積もりの下書きを用意し、職人が手仕事に専念できるようにします。
現状

修理には6〜8か月を要しており、POJはその理由として依頼の多さを挙げています。職人は見積もりの前に、お客様一人ひとりとメールでやり取りを行っています。

目指す姿

POJの修理メニューをもとに見積もりの下書きを作成し、職人が内容を確認します。これにより、見積もりに要する職人の時間を削減できます。

必要な取り組み

工数小:POJの修理メニューをもとに、ソフトウェアが見積もりの下書きを作成します。

品質の守り方

査定は職人が行い、お客様が目にする文章もすべて職人が執筆します。

取り組む価値がある条件
  • 見積もり作業が、職人の稼働時間のかなりの部分を占めていること
  • 待ち期間の原因が、漆の乾燥ではなく職人の人手不足にあること
  • 職人が下書きを信頼して活用できること
コメント
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規模拡大後も個別対応を維持する手書きメッセージ送付リストメッセージを送るべきお客様をソフトウェアが抽出し、一通ずつ人の手で書きます。
現状

教室のレビューが更新されていません。The Sceneで最初に表示されるレビューは1〜2年前のものであり、The Rehearsalの3件はすべて2年前のものです。サイト上には、リピート特典やフォローアップの案内も見当たりません。

目指す姿

毎週数名のお客様に、本物の手書きメッセージをお届けします。講師が修了生に率直なレビューを依頼することで、教室ページのレビューが常に新しく保たれ、再購入の増加につながります。

必要な取り組み

工数小:注文データから、お客様、作品、担当講師がわかる週次リストを作成します。

品質の守り方

人の手で書きます。筆記ロボットやAIが生成した文章は使用しません。

取り組む価値がある条件
  • リピート客が売上の大きな割合を占めていること
  • 試験導入において、メッセージが再購入の増加につながると確認できること
  • 接客の時間を削ることなく執筆できること
コメント
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問い合わせへの迅速な対応団体イベント受付デスク団体からの問い合わせを取りこぼしていないかを確認します。取りこぼしがある場合は、一件ごとに迅速かつ個別の見積もりを返せる体制を整えます。
現状

団体のお客様が目にするのは価格表示のない問い合わせボタンのみで、導入企業名やお客様の声も掲載されていません。一方、Fresh Airなどの競合は、1名あたり約21,000円からと価格を公開しています。これによって予約を逃しているかどうかは不明です。POJの返信速度や成約率が公開されていないためです。

目指す姿

POJが団体からの問い合わせ件数と成約件数を把握できるようになります。返信に時間を要している場合は、すべての問い合わせに対して1日以内に講師が見積もりを返します。こうした顧客が、「リーダーのための金継ぎ」の最初の買い手となります。

必要な取り組み

工数小:まず直近20件について、問い合わせから見積もりまでの所要時間を計測します。返信が遅い場合は、料金表と講師の共有カレンダーを整備し、講師が当日中に見積もりを提示できるようにします。

品質の守り方

講師が自ら返信します。やり取りもイベントも、人が担います。

取り組む価値がある条件
  • 団体からの問い合わせが、十分な件数あること
  • 返信の遅さや価格の非公開が、予約を逃す原因となっていること
  • 講師の日程に余裕があること
コメント
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ティナさんと話し合うべき論点

成長に向けた提案が成果を上げた場合、POJは品質とPOJらしさを損なうことなく、どのように需要に応えていくのか。

  1. 受け入れ余力:職人はどの程度の成長まで対応できるか。
  2. 基準:対面・リモートを問わず、POJの名のもとで誰が指導できるか。
  3. POJらしさ:エグゼクティブ教育はPOJに適しているか。変えてはならないものは何か。

検討の精度を高めるために必要な3つの数字

コメント
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